本当に、2011年7月24日にアナログ電波は停まるの?
これは、なんとも難しい話ですが、総務省は現時点(11年4月時点)では「停める」といっていますので、私達も「停まるであろう」と考えてはいます。世界中で完全にアナログ放送からデジタル放送へ完全に切り替わった国は、いまでも多くはありませんが、なんといってもアメリカの完全切り替えが09年6月12日に完了(停波)しましたので、日本も多少遅れることはあるかもしれませんが停めざるを得ないでしょう
しかし、アメリカは日本に比べはるかにデジタル移行をしやすい条件にあったことや、政策がしっかりしていたこともあるので、日本が同じように移行できるとは考えられません。このままでは、大きくパニックがおこる可能性も十分にある得ます。
たとえば多治見市内には44,041世帯(10年09月多治見市市民課情報)ありますが、総務省は
「地上デジタル(地デジ)放送対応テレビ、チューナーの普及率が95%越えたら停める」
と過去に「ぼそっと」言ったこともあります。
一応、総務省東海地区地デジの司令塔、「東海総合通信局」発表の数字では10年3月時点の岐阜県の地デジ受信機普及率は88.3%になっています。
東海総合通信局 10年5月27日発表
東海4県の地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査の結果
直接お客様宅へ訪問している現場の感覚としては、88.3%という数字はまったく実感がわきませんが・・・。それもそのはず、調査方法にもいろいろと問題がありまして、とても実態を表しているとは思えません。実態は少なくともこの数字より5−10%は少ないのではないでしょうか。
たとえ95%までいったとしても、現時点のテレビの世帯普及率が99.5%と言われていますので、多治見市内で約43,200世帯がテレビ放送を見ているわけですが、95%までいったとしても、約2千世帯がテレビを見れなくなるわけです。
混乱を助長するつもりはまったくありませんが、大きなパニックが起こってもまったく不思議ではありません。95%という目標数値そのものにも問題があります。
09年5月時点で多治見大畑支局がやっと正式中継を始めたのですが、新設の姫支局は10年末に稼動したという、なんとも無理無理なスケジュールであることは間違いありません。
他地区の一部支局や共同アンテナの中継スケジュールも当初より遅れているようですし、少なくとも多治見に関してはアンテナ支局開設後半年−約2年でアナログ放送停波は無理がありすぎるといえるでしょう。
しかもこのままのペースでは、「本当の」95%まで普及するのは非常に難しいでしょうし、普及すると言ってもそれはテレビが変わるだけで、アンテナや配線の話は置き去りにされていますから、電気店の感覚としては、「2011年7月でのアナログ放送停波は難しいでしょう」と言うのが本音です。
普及率も一家に一台を基準とされてますけど、今時テレビは人数分あるのは半ば常識ですから、総務省的には一家に一台あればとりあえずOKかもしれません(とするしかないかもしれません)が、普通の感覚では一家に一台でOKなはずがありませんよね。多くの家庭に1台しかテレビがなかった、昭和40年代のチャンネル争いを再度勃発させたいのでしょうか。
かといって、アナログ停波によって生じる空き電波枠の行き先は半ば決まっていて、そのスケジュールもすでに動き始めているわけですから、まったく停まらないと大きな経済損失が間違いなく発生します。
停めないと大きな経済損失、停まったら国民生活の大きな損失、という非常に難しい舵取りが要求される地上デジタル(地デジ)放送からアナログ放送への切り替えですが、世の中の発展のためにも切り替えはしなければならないことですので、いつかは必ずやると思いますが、2011年7月に停まるかは微妙な話かもしれません。
「2011年7月に停めるよ」と言っておいて、間に合わなければ仕方がないから数ヶ月から1−2年延ばして「今度こそ停めるよ」、というのがありえる話かもしれません。勝手な憶測ですけど・・・。
もう一つ、問題があるのが7月24日という日程です。7月はエアコン工事真っ盛りの時期で、どこの工事会社も多分忙しい。エアコン工事とアンテナ工事を兼ねている会社は多いですから、私達もそうですが、実際に地上デジタル放送だけになって、急に「工事して」、と言われても工事日程はすでに詰まっていて対応できない可能性も非常に高いです。
冬もそれなりに忙しいので、春か、秋かにずらしてもらうと現場で混乱が起きにくいと思われますが、その点を総務省はどう考えているのでしょうか?法律制定の時に7月24日という日程が決まったそうですが、現場を知らないお役人と政治家のお粗末な結果と言わざるを得ません。
いろいろと問題の多い2011年7月24日の停波ですが、とりあえず11年7月に停波することを前提に今から準備しておくことが一番失敗のない、安全な行動であることだけは間違いありません。
世界中で停波が延長しているのは、あくまでも現時点のことであって、時期は微妙でも、今後は多くの国で電波の切り替えが行われるのはほぼ間違いないですから、技術立国日本で行われないはずがないと私達は考えています。
変革には痛みが伴いますが、その痛みを乗り越えてこそ新しい世界も開ける・・・なんかどっかで聞いたことのあるセリフですが、地上デジタル放送(地デジ)切り替えはまさにその言葉を地で行くことかもしれません。
とりあえず11年7月に大きなパニックが起こらないことだけを、本気で祈っております・・・。
